とある検査技師の生活日記

仕事に慣れて時間にゆとりができたので「そうだ、ブログをやろう!」的な軽いノリで始めた臨床検査技師の生活日記です。

医療系資格と法律の話

今回は、後輩から資格の法律について難しいと話があったため、医療系の資格と法律上の業務範囲についてまとめます。

 

医療の資格で、他の資格では代用できない行為があるものを中心に記載すると、

1.医師、歯科医師

2.薬剤師

3.診療放射線技師

4.看護師

5.その他コメディカル

となります。

詳細を見ていきます。

 

・まず、医師と歯科医師は、その資格があれば1人の患者の医業または歯科医業全てを完結させることができます。唯一薬の処方はできませんが、例外として自らの処方に基づく調剤は行えるため、薬剤師不在でも薬の処方までできるため最も業務範囲が広いです。

 

・薬剤師は、処方箋に基づく調剤を行える資格です。上記例外を除けば医師でも不可能な唯一の業務範囲を持つ資格です。薬に関しては絶対的な権力をもちます。

 

※ここから先の業務について医師は全ての行為を行えるため、基本的に医師の次に業務範囲の広い看護師との兼ね合いを含めて記載します。

 

診療放射線技師は、医師のみが行える医行為である放射線の照射を行える資格です。

後述の看護師は、医師の指示があれば調剤と、医師以外が行うことのできない医行為を除く全ての医療行為を行うことができるため、看護師以外のコメディカルでは診療放射線技師のみが看護師の唯一行えない業務をもちます。

 

・看護師は、医師の診療の補助と療養上の世話を行う資格です。

医師の診療の補助とは、医師でなければ行えない医行為を除き医師の指示があればほとんど何でもできるという意味合いで捉えられるため、法律上では診療放射線技師以外の全てのコメディカルの業務を行える権利があるとみなされます。

ここが大事なポイントで、実状としては検査室で、臨床検査技師以外が心電図や脳波検査を行う施設はありませんが、法律上では普通に看護師が行うこともできるという点です。

つまり、心電図や脳波検査などの生理検査は、医師、看護師、臨床検査技師の3つの資格が行うことのできる行為です。

※超音波検査など、一部の生理検査は診療放射線技師などの他コメディカルも行えます。詳しくは政令を参照

 

なかなか理解が難しい部分ですが、法律と実務に差はあるので、試験ではひっかけ問題として出る可能性があります。要注意です。